泥棒猫

 コピーキャット(Copycat)。英語で『人まね屋』、犯罪用語で『模倣犯』を指す言葉。過去に起きた異常な犯罪やらをそのまま真似していく映画のタイトル。今回の作品はそれをモチーフにしてみました。

紹介

 母の立てた脚本ではこうだ。『あゆ』と『祐一』は結ばれ、『名雪』は苦しみ続ける道化である――。

 自らの息子を祐一の人形として抱き続け、苦しみと快楽の中で、人形に抱かれ死んでいった名雪と、人形だった名雪と祐一の息子は――新たな『祐一』役となり、母『名雪』が作りあげて演じ苦しんでいた脚本を利用し始める。自らの初恋の人『あゆ』に接近し、あゆと祐一との娘に『名雪』役という苦しみを与えるために。

 だが彼は気付いていなかった。母の脚本を利用することは、母の操り人形となることに。

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